プーチン対ローマ法王(構想)

第二次大戦期。
ドイツ軍は大陸の統一を目指した。
しかしソビエトに阻まれ失敗、敗戦に終わる。
その時ヒトラーユーゲントに所属していたヨーゼフ・ラッツィンガー少年。
如何な優良民族アーリアとて、単純暴力では世界の統一は出来ないことを痛感する。
だが民衆は下劣で愚昧だ。
優秀な者が支配してやらねばならない。
即物的権力でそれがなされないのだとしたら。
それは神の力で成されるほかに無い。
ヨーゼフは以前から興味を持っていた、二千年も続く神の支配の象徴。
戦後、ヨーゼフはカトリック教会への道を進み始める。
周りは腑抜けた善人面や、マルクス主義に傾倒する流行追いばかり。
ヨーゼフは誰にも己の内面を見せることなくひたすらに出世街道を登り続ける。
己のいる環境で、己の本心を隠すことは己の精神を鍛える最大の方法である。
神学者として名を成したヨーゼフは後のヨハネ・パウロ二世に接近。
善人だが無能な後のヨハネ・パウロ二世を教皇に就かせ、自身は枢機卿として絶対的な権力を握る。
ヨハネ・パウロ二世の病死を機に、ついに自身が教皇に就任。
とうとう神の代弁者としての確固たる地位を手にする。
だがしかし、現在の教会は実質的権力からはほど遠い。
そこでヨーゼフ改めベネディクト十六世は一計を図る。
己が密かに推し進めてきた悪魔研究。
その成果である悪魔の軍隊による世界征服。
だが暴力での支配などいずれ崩れることは先の大戦で経験済みだ。
その悪魔の大群をこの教会の正規軍で撃ち滅ぼす。
悪魔を打ち倒す神の軍隊。
その時世界の愚民達は口をそろえて言うに違いない。
救世主の再来だ、と・・・!
順調に進む計画。
アメリカすら法王の魔力の前に屈する。
しかし順調に見えた計画の前に立ち塞がるものが一人。
北の英雄プーチン。
ロシアが秘密裏に研究していたオーバーテクノロジーの数々。
プーチン率いる機械化兵団がベネディクトの放った悪魔の軍隊と互角の戦いを見せていたのだ。
再びわたしの前に立ち塞がるのか、ロシアよ・・・!
教皇対ロシア大統領の前人未到の戦いの幕が、今切って落とされる。

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